21世紀枠は只見(福島)、丹生(にゅう=福井)、大分舞鶴(大分)の3校に決まった。3校とも春夏通じて甲子園初出場となる。

【センバツ】21世紀枠は? 今日選考委員会 32校決定/速報中

只見は1948年(昭23)、県立南会西部高校伊北分校として開校。幾度かの学科再編を経て、54年に現在地に校舎が建設。64年に只見高校として独立昇格。全校生徒86人のうち、約30人が町外から「山村教育留学制度」で入学。卒業後、そのまま只見で就職する人もいる。野球部は76年創部。これまでは、08年夏の県16強が最高成績。部員は選手が13人、マネジャーが2人。学校がある只見町は奥会津にあり、日本有数の豪雪地帯。冬はグラウンドが雪に埋もれるため、野球部の練習も制限される。限られた屋内スペースの他、雪上ノックなどで鍛えている。昨秋の福島大会は登録選手が18人と少なかったが、3回戦の相馬東戦は9回に追いつき、11回にサヨナラ勝ち。4回戦の会津学鳳戦も8回に逆転と、粘り強く戦い、県ベスト8まで勝ち上がった。

丹生は昨秋の県大会ではノーシードから4強入り。準決勝では同大会を制した福井工大福井に大敗したが、北信越大会進出をかけた第3代表決定戦で敦賀気比と中盤まで接戦を演じた。敗れはした(3-8)が、敦賀気比は北信越大会で優勝しており、力を示した。1925年(大14)創立の共学県立校で、21年度の生徒数は333人。野球部は1949年(昭24)の創部で、現在の部員数はマネジャー4人を含めて31人。これまで春夏通じて甲子園の出場はなく、センバツ出場が決まれば、初の聖地となる。OBに昨季初勝利を挙げた広島玉村昇悟投手(20)。学校は日本海に面した越前岬のある丹生郡越前町に所在する。同町は越前がにを水揚げし、古くから越前焼陶器の産地としても知られている。

大分舞鶴は昨秋県大会で昨春センバツ準優勝の明豊に惜敗して準優勝。九州大会は準優勝した大島(鹿児島)との1回戦で引き分け、再試合の激闘の末、2-3で敗れた。昨夏大分大会決勝も明豊に敗れていたが、近年、着実に力をつけてきた。東大や京大に合格者を出すなど県内屈指の県立進学校で知られる。文武両道で、バッテリー中心のクレバー野球が持ち味。春夏を通じて甲子園出場はない。同校のラグビー部は全国大会で優勝歴のある強豪。主な卒業生は、歌手南こうせつ、歌手伊勢正三ら。

◆21世紀枠

困難な練習環境を克服したり、地域貢献など、野球以外の要素を選考条件に加え、甲子園出場のチャンスを広げる目的で01年から導入された。推薦校は原則、秋季都道府県大会の16強以上(加盟129校以上は32強以上)から選出。07年までは2校、08年から3校を選出(記念大会の13年は4校)。昨年は新型コロナの影響で秋の明治神宮大会が中止。優勝校地区に与えられる神宮枠がなくなったため、1枠増の4校に。今年は再び3校となった。同枠の過去最高成績は、01年宜野座(沖縄)、09年利府(宮城)の4強。

<過去の21世紀枠選出校>

01 安積(福島)※宜野座(沖縄)

02 ※鵡川(北海道)松江北(島根)

03 柏崎(新潟)隠岐(島根)

04 一関一(岩手)八幡浜(愛媛)

05 ※一迫商(宮城)高松(香川)

06 真岡工(栃木)金沢桜丘(石川)

07 都留(山梨)※都城泉ケ丘(宮崎)

08 ※安房(千葉)※成章(愛知)※華陵(山口)

09 ※利府(宮城)彦根東(滋賀)大分上野丘(大分)

10 山形中央(山形)※向陽(和歌山)川島(徳島)

11 大館鳳鳴(秋田)佐渡(新潟)※城南(徳島)

12 女満別(北海道)石巻工(宮城)洲本(兵庫)

13 ※遠軽(北海道)いわき海星(福島)益田翔陽(島根)土佐(高知)

14 小山台(東京)海南(和歌山)大島(鹿児島)

15 豊橋工(愛知)桐蔭(和歌山)※松山東(愛媛)

16 ※釜石(岩手)長田(兵庫)小豆島(香川)

17 不来方(岩手)多治見(岐阜)中村(高知)

18 由利工(秋田)膳所(滋賀)伊万里(佐賀)

19 石岡一(茨城)富岡西(徳島)熊本西(熊本)

20 帯広農(北海道)磐城(福島)平田(島根)

21 八戸西(青森)三島南(静岡)東播磨(兵庫)※具志川商(沖縄)

※は1勝以上挙げた学校。20年は中止