佐渡総合が昨秋県8強のシード校・新発田南に延長11回、5-4でサヨナラ勝ちした。4-4の11回裏2死一、三塁。主将の3番中川好誠遊撃手(3年)が右前に決勝打を放った。

ベンチから飛び出したチームメートが本塁付近で待ち構えていた。「ホッとした」。一塁を回ったところで、その様子を見た佐渡総合・中川好は自然と笑顔になった。

4-4の11回裏2死一、三塁。新発田南・相馬遥投手(3年)の外角低めの直球を右前に運ぶ。試合中、全員が打席を終えるごとに球筋を伝えて情報を共有した。一致したのは「球威が落ちていたので直球を狙う」と中川好は打席に入っていた。

この回は2死無走者から1番青木彰吾投手(3年)が四球、2番小田天翔三塁手(同)が右前打で出塁。「かえすしかないと思った」と振り返った中川好は6打数3安打で1打点。サヨナラ勝ちは畑野小3年で野球を始めて以来、経験がなかった。主将としての責任感でその主役になった。

佐渡総合は大会直前、新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校になり、全体練習を再開できたのは26日から。チーム練習ができない中、中川好は自主トレで1日200~300回の素振りを繰り返した。尾仲峻更監督(37)は「意識付けも含め、チームとして打力を強化してきた」と言う。冬場は打撃投手が投げるカラーボールを1日30分ほど打ち込み、打力を磨いてきた。

昨秋県8強の新発田南の6安打に対し、15安打と圧倒した。最高に盛り上がる形で初戦を突破し、手応えも得た。「もっと練習して次戦を迎えたい」。中川好が言うように、ナインは気を引き締めて3回戦に臨む。【斎藤慎一郎】