第104回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の北北海道・釧根地区の組み合わせが14日、決まった。部員不足により連合チームでの出場が続いていた根室が、部員9人で夏は16年以来6年ぶりに単独で出場する。17年ぶりの北大会出場を目指し、まずは12年ぶりの夏1勝をつかむ。

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6年ぶりに単独チームで出場する根室ナインの気持ちは高まっている。昨夏、霧多布とタッグを組むなど、ここ5年間は部員不足で連合チームでの出場が続いた。今年は最上級生の2年生3人と1年生6人の9人がそろい、一丸となって夏に挑む。村上春平主将(2年)は「緊張もあるけど、楽しみ」と口にする。

昨年、夏の大会終了時点で3年生4人が引退し、部員はゼロになった。しかし、村上主将が昨年11月に入部。中学まで野球経験はあったが、高校では続けないと決めていた。入学後は他の部活にも所属せず、放課後は漁業を営む実家の手伝いなどをしながら生活を送っていたが「だんだんやりたいなと思うようになってきて」と決意。村上主将らの呼びかけで、徐々に部員が集まり、9人で初めての夏の大会を迎える。

昨夏、助っ人として夏を経験した2年生も気合が入る。盛本大和捕手(2年)は昨年まで柔道部だったが4月に野球部に転部。「公式戦でまだ安打を1本も打っていない。まずは安打を打つこと」。陸上部から昨年11月に転部した榊原七斗中堅手(2年)は「同じ高校のチームメートと練習を一緒にできるのは大きいし、仲間の絆というのも生まれる」とかみしめながらプレーする。

この日、抽選で初戦は28日に釧路高専との対戦が決まった。主戦の大熊朝陽投手(1年)は通院のため練習に参加しなかったが、大会へ向け、選手たちは必死に練習している。夏の北北海道大会では81年に4強進出の実績を持つが、05年以来出場が遠ざかっている。まずは12年ぶりの夏地区1勝を狙う。村上主将は「まずは1勝したい」と意気込んでいる。【山崎純一】