日本高野連は2日、第104回全国高校野球選手権大会(6日開幕、甲子園)に出場する浜田(島根)帝京五(愛媛)有田工(佐賀)九州学院(熊本)の4校が新型コロナウイルスの集団感染と判断されたと発表し、大会日程、抽選方法を変更した。辞退を避けるために回復期間を踏まえた対応で、3日の組み合わせ抽選会では、例年49代表で最も遅く初戦を迎える第7日(2回戦)に4校が入るよう抽選し、当初の第7日と第8日の試合を3試合ずつ入れ替えるなどした。

    ◇    ◇    ◇

ノーモア辞退校の意思のもと、主催者は今夏の甲子園大会の部分変更に踏み切った。

代表49校を対象としたPCR検査で、10校の26人(指導者、部員)に陽性者が出たことが明らかに。事態を受けて2日午前に専門家を含めた緊急対策本部の会議を開き、4校が集団感染と判断され、3日の抽選会出席を取りやめとした。6日の開幕を目前に大ピンチに見舞われた4校が可能な限り臨戦態勢を整えられるよう動いた。

抽選では、4校が当初の予定で最も遅い登場となる第7日の第1試合から第3試合のいずれかに入るようにし、日本高野連の宝馨会長(65)が代理でくじを引く。その上で、当初の第7日と第8日の試合を3試合ずつ入れ替えた。主催者は「集団感染と判断されたチームには回復までの期間を考え、全体で最も遅い登場となる組み合わせ日程とする」と説明した。

柔軟な対応の裏にあるのは、昨夏と今春の大会でコロナ感染による辞退校が相次いだこと。昨夏は宮崎商、東北学院(宮城)が大会中に出場を辞退。宮崎商は、智弁和歌山との初戦前の辞退となった。今春は京都国際が開幕前日に辞退を発表。広島商は2回戦を辞退した。春と夏の事情は違っても今回の4校はいずれも懸命に地方大会を戦い、出場権をつかんだ。コロナ禍の悲劇を繰り返さないため、主催者は大会前に「集団感染と判断した場合、感染陽性時期を確認し、試合日程の変更で対応できる場合は当該試合の日程を変更することもある」などのガイドラインを決めていた。それをさっそく実行に移した。

ただ集団感染と判断されての日程変更は、抽選まで。出場選手の健康面や2学期の開始時期、30日から阪神-広島戦も予定されていることなどを考慮したとき、大会の長期化は避けたいところ。抽選会後に集団感染が出た場合は、辞退の道を選ばざるをえない可能性は残る。主催者は「考えたくはないが、緊急対策本部でもいろいろ議論をつくさせていただきはします」と、祈る思いで代表校の臨戦を待つ。【堀まどか】