第104回全国高校野球選手権(6日開幕、甲子園)組み合わせ抽選から一夜明けた4日、北北海道代表・旭川大高、南北海道代表・札幌大谷は神戸市内のグラウンドで約2時間の練習を行った。旭川大高の1番近藤伶音(れおん)右翼手(3年)は北大会で50メートル6・4秒の俊足を生かしチーム最多4盗塁。強敵大阪桐蔭(大阪)を足で揺さぶる。

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旭川大高・近藤が早速、大阪桐蔭討ちへのイメージづくりを開始した。北大会では4盗塁を決め、チャンスメークしたが、聖地では「4盗塁の中でも満足できたのは1つか2つ。甲子園ではもっと積極的に走って決められるようにしたい」と、さらに高みを目指す。

相手の松尾汐恩(しおん)捕手(3年)は二塁送球1秒台のプロ注目選手も「盗塁は捕手の肩との勝負だけではない」。抽選直後から相手右腕の川原嗣貴、別所孝亮(ともに3年)、2年生左腕の前田悠伍と軸となる3投手の動画を検索し、癖を研究し始めた。「3人を重点的に。イメージはできている」。好投手から連打でチャンスをつくるのは難しい。強力バッテリーのスキを突き勝機を見いだす。

出塁するために打席では粘る。クラークとの北大会準決勝は、初回の初球でセーフティーバントを試みるなど7球粘った。自身は三振も、相手エースを揺さぶり、この回2四球を絡め同点に追い付く流れをつくった。「いろいろなことをやるのが自分の役目」と強い口調で話した。

名前の「れおん」は姉花音(かおん)さん(19)と同じ響きになるよう名付けられた。“ちょいワルおやじ”のバイブル的ファッション誌「レオン」は「知らない」という17歳。166センチ、56キロと小柄な1番が優勝候補をかく乱し、大観衆の視線を、独り占めする。【永野高輔】

<特製Tシャツ>

旭川大高の選手たちにOBからすてきなプレゼントが届いた。09年夏の甲子園メンバーでアパレルブランド「KEBOZ(ケボズ)」を販売する「旭一&KEBOZ」のオーナー川村健一氏(30)と門前伸之介氏(29)から特製Tシャツが届いた。聖地に立った先輩からの差し入れに近藤は「有名なブランド。顔は分からないけど、こうやって応援してくれる先輩がいることが、とても励みになる」と喜んだ。