高松商(香川)が今秋ドラフトの1位候補に急浮上している浅野翔吾外野手(3年)の「足」で1970年以来、52年ぶりの8強を決めた。

1回、先頭で二塁内野安打で出塁。1死後の初球に仕掛け、二盗に成功した。山田一成内野手(3年)の左前適時打で先制のホームを踏んだ。

僅差の試合になり、結果的に大きな1点になった。この日は2打席目以降、死球、四球とまともに勝負してもらえなかったが、1番打者として貢献。「全打席出塁を目標にしています。(盗塁は相手投手が)チェンジアップが多いデータが頭に入っていた。チェンジアップの持ち方でけん制してくることはない。初球、チェンジアップで入ってくる。ギャンブルみたいな感じでスタートしました」。的確に状況判断。持ち前の打撃だけでなく、脚力でも勝利に貢献した。

夏初戦だった11日の佐久長聖(長野)戦では浜風を切り裂く右中間への衝撃的なアーチを披露。さらに左翼にライナーで突き刺し、2打席連続本塁打を放っていた。清原和博氏が持つPL学園(大阪)時代の記録を超えて、高校65号、66号本塁打に積み上げていた。当日は12球団約60人のスカウトが視察。そのなかで破格のパワーを見せつけたが「感触はあまりよくなかった。ライトフライがとられて歓声が上がったと思ったら、審判が手を回していた」と振り返っていた。

中3日で迎えた3回戦は色気を見せず、安打狙いで打席へ。違った一面を見せた。

バックネット裏では異例の光景があった。例年、出場校が1巡した後、プロのスカウトはあまり姿を見せないが、この日は複数球団が浅野のプレーに熱視線。阪神は嶌村球団本部長、畑山統括スカウト、和田テクニカルアドバイザーらスカウト部門の要職が姿を見せたほか、ロッテ、巨人も視察した。大アーチこそなかったが、好素材ぶりを見せつけた。

 

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