佐渡は五泉に10-9で競り勝った。公式戦初出場初登板の風間堅斗投手(1年)が9失点ながら完投した。

佐渡の1年生エース風間が首を振った。10-9と1点差に追い上げられた9回表2死一、二塁の一打同点のピンチ。捕手の吉川竜矢主将(2年)のサインは変化球。「押したほうがいいと思った」と直球を要求した。思惑通りに一ゴロに打ち取り、リードを守りきった。

188球を投げて13安打9失点(自責8)。公式戦初登板は苦しんだ末の完投勝利となった。6回終了時点で10-2と7回コールド勝ちのペースだったが、7回に3失点、9回には4点を失った。終盤は疲れで右腕が上がらず、腰の切れもよくなかった。それでも「最後まで投げ切りたかった」。前山隼人監督(36)が確認するたびに続投を志願した。

エースの意地だった。新チームになって背番号1をつけた。「自分が投げて勝つ」と意識した。バックも後押しした。ピンチのたびに声をかけた吉川主将は言う。「新チームの初戦、風間で勝ちたかった」。チームメートに支えられてつかんだ1勝。風間は「手応えになった」と表情を緩めた。【斎藤慎一郎】