清原に負けない-。慶応は日大高を8回コールドで下し、準々決勝進出を決めた。公式戦初本塁打となるグランドスラムで試合を決めた渡辺憩捕手(2年)は「左翼手は越えるのかなと。風に乗っていい感じに入ってくれました」と笑顔で振り返った。

3点を奪った2回。3番の渡辺は2死満塁の好機で打席に立つと、初球のインコース直球を左中間席へ運んだ。前日10日の上矢部戦では、清原和博氏を父に持つ清原勝児内野手(1年)が、公式戦初本塁打となる満塁本塁打を放っていた。渡辺は「昨日は清原が打った。今日はいい場面で回ってきたので、ファーストストライクを狙っていこうと思っていました」。仲間の存在が力になった。

今秋からスタメンを勝ち取った。森林貴彦監督(49)は「夏から打撃はレギュラークラスでした。捕手としての落ち着きが秋になって出てきて、その余裕や視野の広さが打撃にも出てきたのかな」と成長を認めている存在だ。

次戦は東海大相模と対戦。夏に敗れた相手と、同じく準々決勝での対戦に森林監督は「食らい付いて終盤勝負を。皆さんが見ていて楽しい野球をしたいですね」と、エンジョイベースボールで勝利を目指す。