新潟明訓は新潟に9-0の7回コールド勝ちし、2年ぶりの秋の北信越切符を手にした。

4番五十嵐太郎二塁手(2年)が4打数4安打。1回裏に先制の中前打を放つなど打線を引っ張った。準決勝は24日にハードオフ新潟で行われる。

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新潟明訓の4番、五十嵐の鋭く力強いスイングから快音が響き続けた。1回裏2死二塁で中前に先制打を放ったのを皮切りに、中堅方向に3本の単打。160センチ、68キロと小柄ながらがっしりとした体格で巧みなバットコントロールを披露した。異なったのは5回裏無死一塁。初球、セーフティーバントで投前内野安打。「いいところに転がってくれた」と小技もまじえた。

島田修監督(57)が「2死からでも点を取れた」と言うように1、5回は2死からチャンスをものにした。その中で五十嵐は1、2打席目に2死から出塁。3、4打席目は無死、1死から出てつなぎ役に。全打席出塁し、3得点もマークした。

公式戦で4安打は初。3、4回戦は1安打ずつといまひとつの結果だった。「家に帰って納得するまでバットを振った」と夜11時近くまで素振りを繰り返した。4番を打つのはこの秋が初めて。ただ、昨秋から5番に入っていてクリーンアップの経験は豊富だ。島田監督も「経験が生きている」と信頼を寄せる。

新潟明訓は昨秋の県大会は準々決勝で北越に4-9で敗れていた。次のターゲットは準決勝の東京学館新潟。「ベストを尽くせば勝てる」。五十嵐は自信を言葉にした。【斎藤慎一郎】

▼新潟は5回は2死無走者から満塁のチャンスを作るなど粘りながらも得点はできなかった。

菅勝監督(48)は「ホームベースは遠かった。あと1本を出せるかどうかがチームの課題になってくる」と話した。公立校最後のとりでが有力私学の前に陥落。県内有数の進学校は練習時間に長くは割けないが、短い時間の集中力がメンバーの持ち味だ。菅監督は「長いオフシーズンを手を抜かずにやりたい」と来春の巻き返しを期していた。

◆北信越大会 新潟県で16校が参加し開催。10月14日に開会式が行われる。開催地の新潟は1増で4校が出場。15日1回戦、16日2回戦、22日準決勝、23日決勝。決勝はハードオフ新潟で午前9時開始。組み合わせ抽選は10月7日に行われる。来春センバツ選考に参考資料となる大会で北信越のセンバツ出場枠は2。