今夏甲子園に出場した鶴岡東(山形2位)は、昨秋東北王者の花巻東(岩手1位)に8-3で快勝し、8強入りした。高橋快内野手(2年)が決勝の2点適時二塁打を放ち、桜井椿稀投手(1年)は5安打3失点で完投した。

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鶴岡東が泥臭く、粘り強く戦い、優勝候補の花巻東を破った。投打がかみ合い準々決勝進出。決勝打の高橋は「東北大会に出るチームはどこも強豪なので、どこが来ても自分たちの野球をやろう」と11安打、8四死球を絡めて8得点を奪った。継投も想定していたが、先発の1年生左腕・桜井が完投。岩手の強豪から1勝を挙げ、高橋は「自信につながると思う」と力を込めた。

1点を追う5回、高橋は初球スライダーを左翼線へ運び、逆転の2点適時二塁打を決めた。「甘い球が来たので、積極的に打とうと思った」。二塁に到達するとベンチに向かって右拳を突き上げた。なおも1死一、三塁で大安晃平捕手(2年)が、中前適時打を放ち、リードを2点に広げる。7回には桜井、山内涼内野手(2年)の適時打などで3点を追加。花巻東を突き放した。

桜井も3失点完投で勝利に大きく貢献した。9回を投げきることは「想像していなかった」というが、高校通算93本塁打の佐々木麟太郎内野手(2年)に対しては、初回の第1打席、3回の第2打席と、いずれもカーブで見逃し三振に抑えるなど4打数無安打と完璧に封じた。それでも自己採点は「40点」と厳しい。「先発を言われたときに先輩たちから『無失点に抑えれば負けることはない』と言われていたので、3点取られたのは悔しい」と話した。

13日の準々決勝は、今夏甲子園優勝メンバーが多く残る仙台育英(宮城2位)と激突する。「目の前のチームを倒して1勝1勝したい」と桜井。花巻東に快勝した勢いで、再び名門から勝利をつかむ。