福岡王者の西日本短大付が、鹿屋中央(鹿児島2位)を6-5のサヨナラゲームで下して、1987年以来2度目のセンバツへ前進した。エース中塚康太朗投手(2年)が不調で5失点も、自慢の打力でカバー。同点の9回。元4番で攻守の要の6番多久将太捕手(2年)が左前打で試合を決めた。海星(長崎2位)、明豊(大分1位)、沖縄尚学(沖縄1位)も勝ち、8強が出そろった。

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サヨナラゲームで来春センバツに王手をかけた。5-5で迎えた9回。同校初の1年生クリーンアップ3人でつくった1死一、三塁のチャンスで、多久がスライダーをとらえた。左前へのサヨナラ打。今夏の4番で、高校通算14本塁打の打力で接戦を制した。「1年生クリーンアップがしっかりつないだので、2年生の意地で負けていられなかった」と声をはずませた。

捕手が本職の多久は打力を買われて今春から4番左翼で起用されて、春季九州大会準Vに貢献した。だが、新チームからはチーム事情で、再び捕手に戻った。「キャッチャーに専念するため割りきっています」と打順は6番に下がったが、「後ろにつなぐ意識でいます」と勝負どころで役割を果たした。日本ハム新庄監督と同期の西村慎太郎監督(51)の「元々4番なので、信頼していた」という期待に応えた。

センバツ切符がかかる準々決勝は海星と対戦する。多久は「次勝ったら甲子園ですが、(優勝で)明治神宮(大会)を目指している。いつも通り、粘り強くやっていきたい」と意気込む。この日、中塚投手がまさかの5失点。リードに課題が残ったが、目標は巨人小林誠司捕手という攻守の要として、21年夏以来の甲子園にチームを導く。【菊川光一】