仙台育英(宮城)が、夏春連覇の挑戦権を得た。午後3時30分過ぎ。ネット中継を見守っていたナインに春の吉報が届く。2年ぶり15度目のセンバツ出場。山田脩也主将(2年)は「出場が決まって、まずはホッとしている。気持ちが引き締まる機会になった」と率直な心境を語った。

秋の悔しさが、ナインをまた強くさせる。甲子園Vメンバー8選手を擁する現チーム。昨秋の東北大会を2年ぶりに制したが、明治神宮大会では4強止まり。同大会準決勝で敗れた大阪桐蔭との力の差を痛感した。「1球の精度の違いを思い知らされた」と山田主将は振り返る。敗戦後、掲げたテーマは「1球の精度」。「個人個人が意識して、取り組んできた」。試合にもう1球はない。その1球で勝敗が左右されることを肝に銘じ、練習に励み続けている。

東北勢初の日本一から約5カ月。山田主将は背負い続ける。夏の甲子園王者としての重圧。「勝つことが当たり前だと思われている。プレッシャーはある」と明かすも、「プレッシャーに負けているようでは日本一は取れない。勝ちにこだわり、執念を持って戦っていく」と力に変える。見据える先は、ただ1つ。センバツ初優勝だ。

熾烈(しれつ)を極める身内サバイバルが幕を開ける。2月1日以降から、春の甲子園メンバー入りを懸け、計4チームによる紅白戦をスタートさせるという。須江航監督(39)は「紅白戦を13節(試合)予定している。下克上してくる選手が出てきます」と言う。春本番までに選手層を底上げし、東北勢としては初、83年池田(徳島)以来、史上5校目となる偉業に挑む。【佐藤究】