<センバツ高校野球:山梨学院3-1東北>◇18日◇1回戦

山梨学院・吉田監督の勝利インタビューには実感がこもっていた。

「これほど勝ちたいと思った試合はなかった。1点差でずっと負け続けていたので」。甲子園では熊本工にサヨナラ本塁打を打たれたり、木更津総合に延長13回タイブレークでサヨナラ負けなど4試合連続1点差で敗れており、ようやく呪縛から解放されたかのようだった。

甲子園の4試合連続1点差負けは史上最長タイだった。山梨学院の他には大連商(満州)、岡山東商、鹿児島商、智弁和歌山、東海大菅生が記録している。紙一重の敗退が続き、1点の重みをよく知る学校が今度は接戦で勝った。ちなみに智弁和歌山は4試合連続1点差負けを脱した試合から11勝1敗と快進撃しており、山梨学院も躍進につなげるか。【織田健途】

◆父子が監督と部長 山梨学院・吉田洸二監督(53)と長男の健人部長(26)がコンビで甲子園初勝利を挙げた。健人さんがコーチから部長に就任した20年1月以降、20年春はコロナ禍で中止、22年春夏は初戦敗退していた。今大会ではクラークの佐々木啓司監督(67)と次男の達也部長(39)も父子コンビで初勝利を目指している。

◆山梨県勢の開幕戦 センバツでは97年日大明誠が豊浦(山口)に4-1で勝って以来、2度目の開幕戦登場で2連勝。夏の大会でも35年甲府中が10-3で青島中(満州)に勝っており、春夏通算3戦負けなし。