東北の佐藤洋監督(60)が試合後、問題提起した。山梨学院との初回、金子和志内野手(3年)が遊失で出塁。一塁ベース上でペッパーミル・パフォーマンスを行ったところ、このイニングが終わると一塁塁審がベンチに駆け寄り「パフォーマンスはダメです」と注意されたという。

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「ペッパーミル」は今、野球選手なら誰もがやりたいパフォーマンスだろう。甲子園でも流行するはずと記者席から注目していたが、東北のペッパーミルはNOと判断された。今ぐらい許してあげても…と思いつつ、敵失による一塁到達だったことや前例を考えれば妥当かと思い直した。

「必要以上のアクションはやめましょう」。古くから高校球界が共有している方針だ。これまでも「必要以上」と判断した際は審判が注意してきた。ならガッツポーズはいいのか? 関係者によると、程度にもよるがガッツポーズは自然な感情の発露と解釈されており、また別のようだ。

別の関係者からこんな話も聞いた。「相手を侮辱する意図がなくても、とらえ方は人による。その状況にもよる」。運営側は細大もらさず禁じるつもりはない。線引きできないだけにジレンマがある。個人的にも簡易な決めポーズ程度なら認めてあげてほしいと思う。状況を見て、是か非か判断すればいい話だ。東北の選手が「その後は違う形で楽しめた」と言っていたのは心に残った。球児が心ゆくまで楽しめる甲子園であってほしい。【アマチュア野球担当=柏原誠】

◆ペッパーミル・パフォーマンス 侍ジャパンのヌートバーが、所属するMLBカージナルスで行っているコショウをひくポーズ。「粘り強くやる」などの意味が込められている。WBCでも塁上でパフォーマンスし、ナインを鼓舞。大谷ら他選手にも浸透している。