<センバツ高校野球:東邦6-3鳥取城北>◇19日◇1回戦

V候補の智弁和歌山がまた初戦で散った。自慢の強力打線が英明(香川)の3投手の前に2得点と沈黙。失策も絡んで終盤に勝ち越しを許した。2季連続の初戦敗退は同校初。金星の英明は寿賀弘都外野手(3年)の投打にわたる活躍でセンバツ初勝利。東海王者の東邦(愛知)は苦しみながら鳥取城北を振り切った。

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東邦の初球攻撃が8打数6安打(打率7割5分)とズバリ当たった。

初球打ちが決め手になる理由について、今から60年前、三本松(香川)の数学教諭で「初球攻撃理論」を提唱していた六車久行さん(故人)は、統計的観点から日刊スポーツ紙上で以下の根拠を挙げていた。(1)カウント0-0の安打が最も多い(2)投手は初球から決め球を使わない。

昔からある初球理論に加え、甲子園初采配の東邦・山田祐輔監督(32)は「初球男」だった。東邦の選手時代、1番捕手で出た08年夏の北海戦で、プレーボール直後の甲子園初打席初球を本塁打。春夏で捕手のプレーボール弾は47年春の川端与市(桐生中)と史上2人だけという記録の持ち主だ。積極打法の遺伝子は教え子に受け継がれている。【織田健途】