報徳学園(兵庫)が東邦(愛知)を延長タイブレークで破り、6年ぶりのベスト8入りを決めた。

ともに優勝経験のある名門対決。2回、1番岩本聖冬生(いぶき)外野手(3年)の適時打で1点を先制。3回には5番辻田剛暉内野手(3年)の犠飛で1点。4回には8番林純司内野手(3年)のソロ本塁打などで2点を奪った。

しかし7回に3点を奪われ4-4。9回を終えても決着がつかず今大会2度目のタイブレークへ。10回表を無失点で切り抜けるとその裏、1死満塁から6番西村大和内野手(2年)が右前にサヨナラ安打を放った。

これで両校の甲子園での対戦成績は報徳学園の2勝3敗となった。

東邦はエース宮国凌空(3年)が5回11安打4失点で降板。7回に4-4の同点に追いつく粘りを見せたがタイブレークの末、サヨナラ負け。勝てばセンバツ59勝目となり同じ愛知のライバル、中京大中京を抜き単独トップとなったがお預けとなった。

勝った報徳学園の大角健二監督は「シーソーゲームで私も一ファンの目で見ていました。(タイブレークに突入し)『私を勝たせてくれ』と。もう、何もない。『勝たせてくれ』と生徒たちに言いました」と話していた。

◆報徳学園のサヨナラ勝ち 春夏通算10度目。サヨナラ勝ちの回数では最多13度の中京大中京に次ぎ、2位のPL学園(10度)に並んだ。

◆報徳学園対東邦 甲子園では5度目の名門対決となり、3連敗中だった報徳学園が64年春以来59年ぶりの勝利で2勝3敗とした。なお、甲子園の最多対戦は中京大中京-広陵の7度。

◆タイブレーク 甲子園では18年春に導入。昨夏まで延長12回を終え同点の場合、13回から実施していたが、今大会から開始を延長10回からに変更。無死一、二塁から始め、打順は9回終了後から継続。決勝でも採用する。今大会では2回戦で仙台育英が延長10回、2-1で慶応にサヨナラ勝ちしたのに次いで2度目。通算では9度目(春6度、夏3度)。