2年生エースが記録を生み出した。利府の最速133キロ右腕、田沢郁杜投手(2年)が無安打無得点の快挙を達成。県高野連によると、楽天・今野龍太投手(31)が岩出山で達成した13年夏以来だという。田沢にとっては中3以来、人生2度目の大記録となった。

初回から3者凡退で上々の立ち上がりを見せると、2回以降も打たせて取る投球で9回までスコアボードには「0」が並んだ。2失策と2四球でランナーを出すも、最後までHランプをともすことはなかった。終盤にさしかかり記録を意識。8回からは狙いにいった。田沢は「まだ実感はないんですけど、後々湧いてくるかなと思います」と笑顔で話した。

初戦の柴田戦で3安打完封。準々決勝の東北学院戦も2失点(自責1)完投と、勝利に導いてきた。「体力面の課題も克服できて、ゲーム展開も焦らずにつくることができました」と成長を実感。登板がなかった前日の準決勝で、チームは仙台育英に2-10の7回コールドで敗れ、惜しくも東北大会出場を逃したが、夏につながる好記録で春最後の試合を締めくくった。

田沢の甲子園への思いは人一倍。その理由は、22年夏の甲子園で仙台育英が東北勢悲願の初優勝を果たした際、記録員としてベンチ入りしていた兄優斗さん(現駒大4年)の存在だ。郁杜も全試合をスタンドで観戦。優斗さんから「とにかく楽しい場所だ」と、言われていた甲子園に出場するため、まだまだ成長を続けていく。