<センバツ高校野球:仙台育英7-2創成館>◇25日◇2回戦

 仙台育英(宮城)の4番上林誠知外野手(3年)がイチロー並みの「秘打」ワンバウンド打ちの適時二塁打を放った。

 イチロー外野手はオリックス時代の2000年5月13日ロッテ戦でワンバウンドの投球を右前安打している。以下はその時の日刊スポーツ記事。

 オリックス・イチローならではの“妙技”だった。1回2死一塁での打席。ロッテ後藤のカウント2-1からのフォークは、ベース手前でワンバウンド。だが次の瞬間、打球は右前で弾んでいた。思わず「アッ」と声を出すほど体勢を崩したが、絶妙なバットコントロールでワンバウンド投球を安打にしてみせた。

 「記憶にある?

 ないですよ」とイチローはサラリ。周囲は驚いた。後藤が「振ってきてシメタと思ったのに…」と言えば、オリックス高畠打撃コーチも「彼にしかできないよ」。この日は3打数2安打で打率を3割7分4厘に上げ、11日ぶりに首位打者の座に返り咲いた。

 偶然の安打ではない。鳥取市のジム・ワールドウィングの小山裕史代表も、イチローの感覚に驚かされた経験があるという。「イチローにとっては、外角にボール1個分外れていてもそこはヒットゾーン。打てるコースとして手を出すんだそうです」。常識を超える技術と感覚が、天才打者たるゆえんなのだ。

 もっとも、いいことばかりではなかった。1回2死満塁の守備では右前安打を捕り損ね、98年10月8日の西武戦以来の失策を記録。7回にはニールの三ゴロで一塁から二塁に猛然とスライディング。併殺を阻止したがオーバーランしタッチアウトとなった。「失策は(二塁走者)石井さんの“俊足”が目に入って、ボールから目を切ってしまった」と、試合後のコメントも洒落(しゃれ)ていた。3-9と大敗も、イチローはしっかりとファンを酔わせた。

 

 ◆当時の主な悪球打ち

 1998年(平10)8月11日、西武森が投げたワンバウンドのスライダーにロッテ平井の止めたバットが当たり、三塁線を転がるタイムリー内野安打となった。90年6月2日の巨人クロマティ、昨年6月12日の阪神新庄は、いずれも敬遠球を打ってサヨナラ勝ちしている。