仙台育英硬式野球部に6日、ヤクルトの高校生ドラフト1巡目ルーキー佐藤由規投手(18=仙台育英)の弟貴規(たかのり、1年)が入部した。宮城・多賀城市の同校グラウンドで行われた日大東北(福島)、弘前実(青森)との練習試合を観戦。中学時代は遊撃手と投手を兼任し、最速138キロを記録した逸材の「兄超え」を目標にした高校野球生活が始まった。

 佐藤貴の身長は177センチで入学時の由規より高い。「去年だけで10センチ伸びた。家族からずっと『チビ』って言われてたんですが」と笑う。球速も兄は高1で120キロ台だった。早くも帽子の裏に「暴れん坊将軍」と書き込むなど、涙もろい兄とはひと味違う。

 入学時の能力で兄を上回るが、佐々木順一朗監督(48)は「内野で足腰を動かして、いろいろ覚えてから投手を」と、内野手でスタートした由規と同じ方法で育成する意向だ。その兄は高3で157キロを記録。佐藤貴は「兄に負けない気持ちで臨む」と意気込んだ。【清水智彦】

 ◆佐藤貴規(さとう・たかのり)1993年(平成5年)1月29日、仙台市生まれ。北仙台小5年から北六バッファローズで本格的に野球を始め、外野と投手を務める。北仙台中1年の9月から東北シニアに所属し、遊撃手と投手を兼任。家族は両親、祖母、兄2人で、次兄が由規(ヤクルト)。177センチ、70キロ。右投げ左打ち。