<高校野球沖縄大会:八重山10-0開邦>◇18日◇1回戦

 第93回全国高校野球選手権沖縄大会が18日、全国49地区のトップを切って開幕した。プロ注目の右腕、八重山の花城直(はなしろ・ちょく)投手(3年)が開邦戦に先発。最速は自己記録に5キロ及ばない143キロながら、5回6安打無失点、6奪三振と上々のスタートを切った。

 八重山のエース花城が最後の夏、無失点で上々のスタートを切った。6安打を許し毎回走者を背負う展開となったが、要所を抑え6奪三振。直球は143キロをマークした。「直球で押していこうと決めていました」と話した。

 春先に腰の疲労骨折が判明した。1カ月安静にし、投球再開は5月から。調整不足は否めない。仲里真澄監督(32)は「今の状態では思った以上の投球をしてくれた。今まで見た選手の中でも素質はNO・1。20歳を過ぎて成長するタイプだと思う」とねぎらった。

 ネット裏では日米12球団のスカウトが熱い視線を送っていた。ソフトバンク福山スカウトは「投手としての資質を備えた選手。指にかかったボールはすごい」と絶賛。広島田村スカウトは「ポテンシャルの高さを感じる」と、将来性の高さを指摘した。

 名前はズバリ「直(ちょく)」。「うちはみんな男の名前に直がつくんです。この名前が大好きです」。この夏の目標を「150キロを出したい」と大台越えを宣言する花城が、その名の通り直球勝負で甲子園を目指す。【前田泰子】