来年春のセンバツ高校野球出場が確実視される常葉学園菊川が24日、菊川市の同校野球部グラウンドで浜松工と練習試合を行った。12月1日から対外試合が禁止となるため、この週末の土、日曜日が最後の実戦機会となった。第1試合はレギュラー組が5-2で勝利し、第2試合は控え組が5-5で引き分けた。主力が活躍する一方、チームの底上げとしては課題を残した。今日25日にも青山学院(東京)と練習試合を行い、約3カ月の長い冬に入る。

 常葉学園菊川が第1試合で持ち味を発揮した。まずは3回表2死一塁、1番登地(とじ)慶輔外野手(2年)が内角直球を「うまく反応できた」と、右翼フェンスぎりぎりへ運ぶ先制2ラン。6回には1死から3番遠藤康平内野手(2年)と主将の4番松木大輔捕手(2年)が出塁。重盗を決めた後、相手の送球の乱れなどを突いて2人ともに生還した。遠藤は7回にも適時打を放つなど、この日3安打。「順調です」と、秋季大会から変わらぬ存在感で勝利に導いた。

 東海大会以降2度目の登板となった先発の堀田竜也投手(2年)も、6回1失点と上々だ。来春のセンバツは85回の記念大会で東海地区の出場枠は例年より1校増え3校に。東海大会で3位扱いとなった常葉菊川は、地域性や試合内容から出場がほぼ確実だ。堀田は左足を速く高く上げる新フォームを試すなど、甲子園出場を前提に過ごしている。投打の中心は万全。それだけに、課題も際立った。

 森下知幸監督(51)は春に向けて「戦力の底上げ」を意識する。その点で、この日の内容に「だめだね」と厳しい。大西優輝内野手(2年)が右手首を痛め離脱中。チャンスを与えられている金子尚史内野手(2年)は6番で3打数無安打に終わった。左打者が多い中で期待のかかる右打者。金子も「登地や遠藤に頼らなくても、僕らが打って勝ちたい」と自身の立場は重々承知しており、冬の打撃向上を誓った。

 当初はこの日が最後の試合だったが、今日25日の青山学院戦が入った。もともと常葉菊川の冬はボールを使う練習が多いが、実戦は何よりの経験になる。主将の松木は「明日で終わると自覚していない」と、東海大会以降、選手の間で温度差がある現在のチームに物足りない様子。それでも「最後はいい形で終わりたい」と、勝利で活性化を図り、長い冬への助走とするつもりだ。【石原正二郎】