第85回選抜高校野球大会(3月22日開幕、甲子園)の出場校を決める選考委員会が25日、大阪市内で開かれた。

 大阪桐蔭の3季連続優勝はオレたちが止める!

 センバツ初出場が決まった京都翔英のエース榎本和輝(2年)は、必修科目の少林寺拳法で鍛えた集中力が武器。最速139キロながら切れ味十分のマウンドさばきで快進撃を狙う。

 初の甲子園が決まった榎本は「打たれても粘り強く投げたい」と気持ちの高ぶりを抑えるように話した。

 少林寺仕込みの集中力が武器だ。同校は少林寺拳法を通じて人間形成をはかる学校としてスタートし、94年に現校名になった後も保健体育の必修科目で全生徒が学ぶ。全国でも3校というユニークなカリキュラムには、榎本も「少林寺で鍛えられるので、1球に対する集中力が出せるんです」とその効果を口にする。

 近畿王者として臨んだ昨秋の神宮大会で北照(北海道)に初戦敗退。悔しさは忘れていない。榎本は「神宮で1勝も出来なかったので甲子園でまず1勝」と控えめだが、優勝を目標とする太田弘昭監督(40)からは「全試合、フルイニング投げろ」と指令を受けた。「出来るかぎり自分が投げたい」と覚悟している。

 直球の球速を「145キロくらいにしたい」と下半身強化に努めている。部の方針でご飯を1日2キロ以上食べ、1年半で体重も7キロアップ。打者としても高校通算21本塁打の打力を誇るプロ注目の右腕は、まずはエースとしての投球に集中する構えだ。近畿大会で対戦しなかった大阪桐蔭から主役の座を奪う。【高垣誠】

 ◆榎本和輝(えのもと・かずき)1995年(平7)7月18日、大阪市生まれ。小2で野球を始め、小4から投手。京都翔英では1年夏からベンチ入り。昨年夏前に右肩を痛めたが、秋の近畿大会で復活し初優勝に貢献。好きな投手はロッテ唐川。家族は両親と妹3人。181センチ、82キロ。右投げ右打ち。

 ◆京都翔英

 1984年(昭59)京都少林寺専修高校として創立。94年に現校名となる。少林寺拳法を校技とし、男女ともに必修科目となっている。校訓は「自己確立」「自他共楽」。野球部は94年に創部。所在地は京都府宇治市。堤清彰校長。