昨夏の甲子園では大会新の1試合22奪三振をマークした桐光学園(神奈川)・松井裕樹投手(3年)が、進路封印で夏の全国制覇を目指す。17日、宇都宮市内の清原球場で今日18日から開幕する春季高校野球関東大会(日刊スポーツ新聞社後援)の前日練習を行った。

 質問に答える目は正面を見据えていた。「まだどこに進むか分からない。ただ、高いレベルで野球を続けていきたい」。前日16日に巨人のスカウト会議で最上位候補に挙げられたが、進路について明言することはなかった。春の神奈川県大会後に両親を交えて野呂雅之監督(51)と面談を行ったという。高いレベルとは大学、社会人、メジャー、国内球団のどの可能性もあるのかとの問いには、力強く「はい」と口にした。

 あらゆる可能性を残したのは甲子園での優勝に集中するためだ。「とにかく野球に集中します。このチームで夏の全国制覇するのが一番なので。甲子園が終わってからもう1度考えます」と結論を急がないと話した。

 明日19日に対戦する花咲徳栄(埼玉)には関口明大投手(3年)楠本泰史内野手(3年)と青葉緑東シニア時代のチームメート2人がいる。「どれだけ向こうも成長しているか。別々のユニホームを着て対戦できるのは楽しみ」と対戦を心待ちにした。【島根純】