<高校野球大阪大会:北かわち皐が丘14-0藍野>◇6日◇1回戦◇京セラドーム大阪

 大阪の開幕戦で、北かわち皐が丘が藍野に5回コールド勝ち。藤原睦(とき)主将(3年)が、1998年から大会会場に京セラドーム大阪を使用するようになって以降初のサク越え本塁打を記録。創部4年目のチームが歴史的な開幕勝利を飾った。

 緊張感の漂う開幕試合でメモリアル弾が飛び出した。2回、藤原が「打った瞬間、感触がよかったです」という打球は歓声とともに左へ大きな弧を描いてスタンドへ。1年生の夏から1ケタの背番号を付けていた経験者は「うれしいです。初戦なので緊張していました」と顔をほころばせた。98年から行われている京セラドーム大阪での開幕戦では初となる本塁打。チームの仲間からは「第1号か。せこいぞ」とからかわれた。

 今季、春の近畿大会府予選で初本塁打を放っており、この日は自身の高校通算2号目。「このドームで何度も野球を見ました。プロ野球選手がプレーする場所でまさか自分が(本塁打を)打てるとは思わなかった」

 野球を始めたのは中学生から。小学生の時はバスケットボール部に所属。「友達と野球をして遊んでいるうちにはまってしまって」と言うが、高校では野球部に入部する予定はなかった。しかし金子恭平監督(34)から熱心に誘われ、入部を決意。「野球を続けてよかった」と、記念のホームランボールを握りしめながら感慨深げに話した。

 北かわち皐が丘は10年の野球部発足時、初の練習試合で藍野と対戦し、2-20で大敗した。桜宮(大阪)出身の金子監督が4歳下の後輩である月見茂雄監督に頼み込んで実現した試合だった。あの完敗から3年…恩返しというには十分過ぎる完勝での初戦突破。京セラドーム大阪1号という記念の1発で、若いチームが新たな一歩を踏み出した。【辻敦子】

 ◆藤原睦(ふじわら・とき)

 1995年(平7)6月15日、大阪府枚方市生まれ。枚方市立第四中1年から野球を始め、二塁手。北かわち皐が丘では1年夏から三塁手でレギュラー。同秋には捕手も経験。2年秋から外野手。遠投は95メートル。175センチ、67キロ。右投げ右打ち。

 ◆北かわち皐が丘

 学校創立は2008年。四條畷北と東寝屋川を再編統合した公立高校。所在地を表す「北かわち」と四條畷市の花である「皐」、寝屋の地の丘陵に位置することから校名が名づけられた。野球部は10年創部。部員数は28人、マネジャー6人。所在地は寝屋川市寝屋北町1-1。