<高校野球神奈川大会:横浜3-1藤沢清流>◇14日◇2回戦◇大和引地台

 横浜の大砲でロッテ高浜の弟、高浜祐仁遊撃手(2年)が「打倒松井」に向けて発進した。3回2死一塁。藤沢清流の左腕阿部のスライダーをとらえた打球は中越えの二塁打となって2点目をたたき出した。高浜は「球が遅くて戸惑ったんですけど。調子は上がってます」と振り返った。

 頭には常に松井がある。春の大会4回戦で対戦、無安打に抑え込まれた。「チェンジアップがあったし、制球もよくなっていた。でも、自分が(松井を甲子園に)行かせません」と言い切る。完敗の後、タイミングの取り方に迷い、フォームを乱した。以降、三塁打した昨夏のビデオを見るなど松井対策に取り組んできた。今、フォームは始動を早め、右足にしっかりと重心を乗せる形に変わった。

 初戦はこの1安打1打点だけ。3-1の辛勝に、渡辺元智監督(68)は「夏はいつもこう」と苦笑いを浮かべた。松井も苦しんだと聞かされると「ずっとベストはあり得ない。それを乗り越えないと神奈川では勝てない」と話した。傍らでは高浜が「自分が引っ張って行きます。本塁打6本は打ちたい」。通算20本塁打の大砲が、打倒松井はもちろん大会記録更新まで誓った。【米谷輝昭】