<高校野球南北海道大会:北照3-1北海道栄>◇18日◇準々決勝◇札幌円山

 春夏連続甲子園を目指す北照は、左腕エース大串和弥(3年)が9回1失点の好投。粘る北海道栄を振り切り、3年ぶりのベスト4に進出した。

 北照の絶対エース大串が、北海道栄打線に11安打を浴びながらも要所を締め、最少失点でチームを3年ぶりの4強に導いた。女房役の小畑捕手は、好リードと2試合連続の先制弾となるソロ本塁打でアシストした。

 2人が最後に選んだ球はチェンジアップだった。小畑のサインに大串は笑顔でうなずき「ヤーッ」とほえて投げる。相手打者のバットが空を切ると「ヨッシャー」と叫んだ。「自分が決めたいボールを要求してくれました」。大串が会心の表情で言った。

 初めて公式戦でコンビを組んだのは、昨春の全道大会。「リードが合わなくて、ダメだと思った」と大串は振り返る。しかし、今では夜に大串が小畑の寮部屋を訪ねるほどの「親友」(大串)だ。「オレのこと好きだもんな!」と、女房役が冗談めかした。

 河上敬也監督(54)は「大串は前の試合より良くなった。小畑(の本塁打)はドンピシャリでしたね」と活躍に目を細めた。「今日は心から楽しかった。次も楽しみです」と大串。センバツ、明治神宮大会に2度ずつ出場しながら、まだ経験のない夏の甲子園へ。強力バッテリーが一段、熱い舞台への階段を上った。【中島洋尚】