<センバツ高校野球:組み合わせ抽選会>◇14日◇大阪・オーバルホール

 21世紀枠で初出場する小山台(東京)が、大阪勢相手に“都立連合”で雪辱を期す。第86回選抜高校野球大会(21日から12日間、甲子園)の組み合わせ抽選会が14日、大阪市内で行われた。都立勢初勝利を目指す小山台は大会第1日の第3試合で履正社(大阪)と対戦。03年夏に雪谷(東京)が同じ大阪のPL学園に大敗した経験を生かす覚悟だ。

 真っ白いボードに小山台の札が真っ先にかけられた。エースの伊藤優輔投手(3年)が引いたのは6番。大会第1日の第3試合が決定した。あとは相手を待つのみとなったが、3分の1が埋まるころ、その時がきた。「履正社、5番です」の声が会場に響くと、福嶋正信監督(58)は思わず苦笑い。すぐに公式ガイドブックを手に取り、対戦校の項を読み始めた。

 履正社はセンバツ4年連続6回目の出場。昨秋の大阪府大会で優勝し、技巧派のエース溝田悠人投手(2年)と、最速147キロ右腕の永谷暢章投手(2年)を擁する強豪だ。福嶋監督も「強いところと当たった」と冷静に分析するが、白旗を上げるつもりはない。

 “都立連合”で勝つ。福嶋監督と03年夏に甲子園に出場した雪谷の相原健志監督は旧知の仲。先日、食事をした際、先輩”から甲子園での作法を伝授された。

 (1)ジャンケン練習

 流れを引き寄せる形になるためには先攻がベスト。「最初はグー!」を大声で言って圧倒する。

 (2)バッティングピッチャー

 試合前の室内練習でも3カ所でバッティングができる。ストライクが入るバッティングピッチャーを多めに連れて行く。

 (3)乾燥注意

 長いホテル暮らしは初めてになる。乾燥で喉を痛めて体調を崩すことのないように気を付ける。

 私立の常連校のように経験を縦におろすことはできないが、都立校には強固な横のつながりがある。福嶋監督は「また(都立校が大阪勢と)当たることになった。リベンジじゃないけど、頑張りたいね」と、11年前、PL学園に1-13で敗れた雪谷の雪辱を果たし、恩を返すつもりだ。

 3月上旬には千代田区立の九段中教校からもグラウンドを貸し出してもらうなど、“公立の輪”は広がる。「のびのびと、うちらしくやる。マイナスは考えない。思い切ってやる」と指揮官は言い切った。多くの人の思いを乗せ、小山台が都立初勝利という歴史の1ページを刻む。【和田美保】

 4年連続出場中の強豪履正社は、大会第1日に“東西対決”に臨む。初出場の小山台との対戦に、金岡洋平主将(3年)は「相手は激戦区の東京で戦ってきたチーム。大阪代表として戦いたい」と気合十分。岡田龍生監督(52)は「自分たちの日頃の野球がどれだけできるか。ミスをなくしたい」。東西対決については「特に意識はないですが、注目されるので頑張りたい」とほほえんだ。

 ※学年は新学年