第86回選抜高校野球(21日開幕、甲子園)に出場する八戸学院光星(青森)が18日、奈良・生駒市内で近大付(大阪)と練習試合を行った。2試合目では2年生左腕呉屋開斗が高校初完投。自己最多の13奪三振、自己最速更新と快投し、1-1で引き分けた。

 呉屋が初物ずくめの快投を演じた。1回1死から4連続三振を奪うと、最後までペースが落ちない。8回を除く毎回の13三振を量産して9回を投げきった時、球数は167にまで達していた。直球は134キロを計測し、自己最速も2キロ更新。「(球数も三振も)こんなに多いのは記憶にない。投げてる時は夢中で気づかなかったけど、試合が終わってから疲れました」と充実の笑みを浮かべた。

 両手を背中に回して握手できるほどの柔軟性を生かした、しなやかで球持ちのいい投球フォームが特徴。素朴なキャラクターも魅力だ。センバツ出場選手を紹介する雑誌では好きな野球選手の欄に「チャプリン」と記載。「あれは違うんですよ。ボケで(レッズの)チャプマンと書いたはずなんですが…」。ただ、秘めた闘志は熱い。この日は1試合目で同じ2年生の中川優が1失点完投。「自分もと思った。先発できるようにアピールしたい」と、横浜との初戦を見据えた。