今秋ドラフト候補で“越後のゴジラ”の異名を持つ日本文理(新潟)のエース右腕・飯塚悟史投手(3年)が大阪でも大暴れだ。19日、大阪・茨木市内で箕面学園(大阪)と近大高専(三重)と練習試合を行い、2試合で3安打4打点を稼ぐ活躍。投げては5回1失点でチームを連勝に導き、投打で上々の仕上がりを見せた。

 第2試合の近大高専戦の1回裏。1死満塁で左打席に入った5番飯塚は決めていた。「チーム的に初球の甘い球を見逃していた。自分が景気づけてやろうかなと思いました」。狙い通り、初球のカーブを思い切り引っ張った。先制点を奪うと、初回5得点の猛攻のきっかけを作った。第1試合の箕面学園戦でも2安打3打点をマーク。本塁打こそ出なかったが、2試合ともしっかり仕事をした。

 昨秋の明治神宮大会決勝(対沖縄尚学)で放った推定飛距離130メートル弾で一気に注目を浴びた。当時は9番を打っていたがセンバツではクリーンアップに“格上げ”された。3番か5番を打つことが濃厚だ。飯塚も「バットはいい感じに振れているし、ボールも追えています」と自信を見せる。

 当然、狙うは甲子園アーチだ。「新潟県勢では(センバツで)ホームランを打った人がいないので頑張りたいです」と意気込んだ。投げても近大高専戦に先発し、5回1失点でエースとしてもチームをけん引した。“越後のゴジラ”が、センバツで雄たけびをあげる準備を整えた。【和田美保】

 ◆飯塚悟史(いいづか・さとし)1996年(平8)10月11日、新潟県生まれ。兄の影響で幼稚園から野球を始め、直江津ガンバーズでは小4から投手に。直江津中3年で県選抜に選ばれ、Kボール全国大会準V。日本文理では1年夏からベンチ入りし、2年夏に甲子園出場。球種は最速143キロの直球とスライダー、カーブ、フォーク。186センチ、83キロ。家族は両親と兄2人。右投げ左打ち。