<高校野球春季静岡大会:日大三島2-1常葉学園橘>◇4日◇準決勝◇草薙球場

 東海大会の出場校が決定した。日大三島(東部1位)は常葉学園橘(中部5位)を振り切り、20年ぶり4回目の東海切符を手にした。決勝、3位決定戦は明日6日に、東海大会は23日から愛知・小牧球場ほかで行われる。

 試合後のベンチ前、日大三島ナインは何度もハイタッチし、抱き合った。20年ぶりの決勝進出だ。捕手の山崎裕生主将(3年)は「泣きそうになりました」。その20年前、2年生ながら日大三島の一塁手として春の県制覇を成し遂げた川口剛監督(36)は「強かったころを知らない子どもたちにいい経験になった」と感慨に浸った。

 2枚看板の投手リレーでねじ伏せた。先発した背番号10の左腕湯川大生(3年)が内角の直球を武器に7回まで1失点と好投。試合前日、常葉学園橘の試合動画を一緒に見た川口監督に「エースは湯川と思われるように投げろ」と激励された。また、父一利さんも同校野球部OBで東海大会の出場経験があるだけに、湯川は「父に負けたくない。アピールできたかな」とほっとした表情だった。8回から登板した背番号1の右腕小沢拓馬(3年)も2回を無失点で抑え「湯川が抑えたのにオレがムダにできない。いい刺激になった」と胸を張った。

 今冬、練習場にあるベンチ周辺が改修され、グラウンドに新しい土が入って水はけが良くなった。山崎主将は「設備が良くなって期待を感じる。恩返ししたかった」とやる気満々。決勝は昨秋に負けた静岡。小沢は「リベンジして東海に行きます」と勢いづいた。【藤中栄二】