<高校野球秋季宮城大会:仙台育英8-0利府>◇3日◇準々決勝◇石巻市民球場

 仙台育英は、先発の佐藤世那(せな=2年)が4安打無失点と好投し、利府に7回コールド勝ち。佐藤世は3戦連続完封で計25イニング無失点を続けている。

 3連投となるこの日の試合前、仙台育英・佐藤世は右肘に違和感があった。直球を投げても球が走らないと、緩いスライダーやフォークなど変化球を主体にし、6回まで二塁さえ踏ませない。安定した投球は開き直りの結果だった。程よく力の抜けた“大人”の投球に、佐々木順一朗監督(54)も「世那も少し変わったかな」とうれしそうだった。

 昨秋から負けた時のマウンドにはいつも佐藤世がいた。「同じことを繰り返してはだめ。勝ってマウンドにいられる投手になろうと思った」。背番号1を付けたこの秋、強い気持ちが好投につながっている。佐々木監督いわく、公式戦で1人の投手に3戦完投させるのは06、07年のエースで現ヤクルトの由規以来のこと。それだけの強さを身に付けつつある。3試合で25イニング無失点。「ゼロに抑えれば負けない」と、5日の準決勝での完封を宣言した。【高場泉穂】