第87回選抜高校野球大会(3月21日開幕、甲子園)の選考委員会が23日、大阪市内で開かれ、21世紀枠での松山東など3校を含め、32校を選出した。

 プロ注目で最速152キロ右腕の高橋純平投手(2年)が、初めての甲子園切符を手にした。県岐阜商が2年ぶり28度目の出場決定の一報が入ると、ナインはグラウンドで喜びを爆発。主将の高橋が「優勝するぞ!」と声をかけると、一斉に右手を突き上げ笑顔の花が咲いた。大会NO・1投手と評される高橋は、堂々の頂点宣言。「入学してからなかなか行けなかったので楽しみな気持ちです。目標は全国制覇」と言い切った。

 チームの日本一だけでなく、自身の記録でも頂点を狙う。センバツの最速記録は153キロだが、夏の甲子園最速は155キロ。力をセーブしつつ152キロをたたき出した高橋だけに、聖地最速記録の更新も視野に入れている。「自分の特長であるストレートの速さを生かしたい。チームが勝ち、自分も記録に挑戦できる試合がしたい」。自信がにじむ言葉が並んだ。

 この冬の練習では1年前の倍のランニング量をこなし下半身を強化。1月中旬からブルペンで捕手を座らせての投球練習も再開している。「あと2カ月、やり切った形で甲子園に行きたいです」。祝報が届いたこの日も黙々と練習をこなした。

 練習を見守る小川信和監督(43)は「ようやく春のスタートが切れる気がします。(高橋には)丁寧にコントロールを重視しながら投げて欲しい」とエール。春夏合わせると56度目の甲子園出場となる名門の県岐阜商。センバツでは1940年以来75年ぶり4度目の優勝を目指す。【上田博志】

 ◆高橋純平(たかはし・じゅんぺい)1997年(平9)5月8日、岐阜市生まれ。小学2年で野球を始める。梅林中では揖斐パワーボーイズに所属し、岐阜県選抜に選ばれた3年秋の大会で142キロをマーク。県岐阜商では1年春からベンチ入り。2年春は県決勝で逆転3ランを放ち優勝。夏は4強。昨秋の東海大会準Vに貢献。好きな音楽は三代目J

 Soul

 Brothers。球種はストレート、カーブ、スライダー、スプリット。183センチ、76キロ。右投げ右打ち。

 ◆甲子園の球速

 甲子園球場のスピードガンによる最速は07年夏の佐藤(仙台育英)、13年夏の安楽(済美)が出した155キロ。スカウト計測では01年夏に寺原(日南学園)が158キロ。センバツ最速は08年平生拓也(宇治山田商)12年藤浪晋太郎(大阪桐蔭)の153キロ。