<センバツ高校野球:成章3-2駒大岩見沢>◇22日◇1回戦

 21世紀枠で36年ぶりに出場した成章(愛知)も駒大岩見沢(北海道)に逆転で創部103年目で初勝利した。

 成章の校歌が初めて甲子園に鳴り響いた。エース小川泰弘(3年)が持ち味の制球力を武器に内角を効果的に攻め、8安打2失点で完投。伝統の「ヒグマ打線」と評される駒大岩見沢の強力打線を抑え込むと、打線が1点を追う8回に逆転した。1906年(明39)創部の同校にとって初勝利はもちろん、リニューアル甲子園での「1番星」というおまけつきだった。

 強い味方がナインを見守った。地元・田原市を中心に約6500人、バス96台が詰めかけた。三塁側アルプス4300席には入りきらず、一部は外野席から声援を送った。糟谷寛文監督(56)は「田原市が空っぽになったんじゃないか」とニンマリ。中京大中京、愛工大名電など私学勢優位の中、公立校・成章の勝利は地元にとっても念願。愛知勢にとっても、センバツでは4度目の対戦で初めて北海道勢を下した。小川は「地元のチームを強くしたいと思って成章に入学した。OBの方から1勝はしてほしいと言われていた」と、うれしそうに話していた。【桝井聡】