試合前、ベンチやフィールドにエンゼルス大谷翔平選手が姿を現すと、ホームでもアウェーでもファンから大声援が上がります。そんな「ショーヘー! 」で盛り上がるスタンドの中で時折、水原一平通訳への声援「イッペー! 」と叫ぶファンを目にします。
8月20日、デトロイトでのタイガース戦では背番号00番で「IPPEI」と名前が入ったユニホームを着たファンが見守っていました。8月24日、フロリダのセント・ピーターズバーグでのレイズ戦では、かわいいファンたちがひたすら声援を送ります。いち早く見つけた大谷とフレッチャーが水原通訳をちゃかしています。これには少々照れ笑いを浮かべていました。
8月27日、カナダ・トロントでのブルージェイズ戦では、試合中のイニング間にスタジアムに響き渡る「イッペー! イッペー! 」という女性ファンからの大絶叫が。スタッフも選手もベンチでニヤニヤする中、水原通訳は困惑しつつも笑顔で対応していました。
9月2日、本拠地アナハイムでのアストロズ戦の試合中。スタンドのファンが掲げるボードをよく見ると、「MV(i)PPEI」の文字。なるほど、エム、ブイ、ッペイって、ウマイ事を…! 大谷でもジャッジでもなく、彼らのMVPは水原通訳なのです。いつも仕事熱心で、大谷を献身的に支えるその姿はファンの心をわしづかみなのです。
練習に付き添い、キャッチボールでは大谷に打撃練習のボールが当たらないようにガードし、試合中は話し相手になり、投手データを伝えたり、ハイタッチで迎えたり、ひまわりの種を一緒に食べ、イジったりイジられたり、チームメートとの緩衝材の役割もさりげなくこなす。こんな通訳、見たことがありません。ファンも、大谷さんも、きっとチームメートもそんな一平さんにいやされているのでしょう。