エンゼルス大谷翔平投手(27)の熱狂的なウォッチャーが、大谷ファンの間で話題になっている。

その名はベン・バーランダー(29)。米FOXスポーツの解説者で、人気ポッドキャスト「フリッピン・バッツ・ポッド」のパーソナリティーだ。2度のサイ・ヤング賞と1度のMVPに輝いたあの先発右腕ジャスティン・バーランダー(38=アストロズ)の弟でもあり、2017年まではタイガース傘下のマイナーで5年間プレーした元プロ選手でもある。

バーランダー氏自身、もともとは二刀流選手だった。バージニア州のオールドドミニオン大時代から外野手兼投手としてプレーし、マイナー時代は主に野手だったが数回登板した経験がある。そんな経歴があるためか、二刀流で大ブレーク中の大谷にぞっこん。ツイッターでも大谷について頻繁につぶやき、大谷が打席で球審から際どい判定を受けたときは「ありえない判定」などとブーイング。熱狂的ファンさながらに、大谷愛を隠さない。

そんなバーランダー氏がオールスター戦のずいぶん前から「オオタニに会いに行く」というミッションを掲げ、自身のポッドキャストなどで大々的に宣言。オールスターの開催地コロラド州デンバーで実際に大谷と対面する使命を遂行し、単独インタビューまで達成した。その様子は自身のSNSなどで公開しており、実に楽しそう。そのときに撮った大谷とのツーショット写真は、今では同氏のツイッターアカウントのアイコンになっている。さらにオールスター後の後半戦初戦の日には、エンゼルスタジアムまで足を延ばし、長蛇の列に並んで大谷のボブルヘッドをゲットし大喜び。何ともほほ笑ましく、愛すべきキャラの持ち主である。

プロとしてはマイナーで芽が出ず、メディア大手のFOXで解説者に転身できたのは偉大な兄のコネによるものかと思いきや、そうではなく自力でチャンスをつかんだそうだ。マイナー時代は昼から夜11時まで試合と練習に没頭し、深夜に帰宅しても疲れ過ぎてすぐには寝付けないため、ゲームをするのが日課だったという。野球ゲーム「MLBザ・ショー」にはまり、そのうちゲーム実況配信をするようになり、そのトークが面白いとファンが増え、あるときFOXのデジタルコンテンツを担当する幹部の目に留まったのがきっかけだった。実はなかなかの苦労人。好きなものにはどこまでも没頭する性格ゆえに、今は熱狂的大谷フリークとしてすっかり有名に。次はどんな大谷愛を見せてくれるのか、楽しみだ。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「書かなかった取材ノート」)