MLBの今季開幕が迫り、米スポーツメディアでは選手のランキング記事が目立つ。そのどれもが、今季もエンゼルス大谷翔平投手(28)をトップに格付けしている。

ESPN電子版の「2023年トップ100」でも大谷が1位。「野球史上最も特異な才能を持った選手。昨季はヤンキースのアーロン・ジャッジがMVPに輝いたが、彼の歴史的な記録がなければ彼が2年連続のMVPだっただろう」と評している。CBSスポーツ電子版も大谷が1位。「この超すごいスーパースターはこの2シーズン、打席とマウンドで最高レベルのパフォーマンスを続けている。特に投手としてレベルを上げた」と称賛した。

大谷を追う2位以下はどうかというと、これはメディアによって若干の違いがある。ESPN電子版は2位がエンゼルスのトラウト外野手、3位がヤンキースのジャッジ外野手、4位がパドレスのマチャド内野手、5位がドジャースのフリーマン内野手、6位がパドレスのソト外野手、7位がマリナーズのロドリゲス外野手、8位はフィリーズのターナー内野手、9位がドジャースのベッツ外野手、10位がカージナルスのアレナド内野手。CBSスポーツ電子版は2位がジャッジ、3位がトラウトで、トップ10にはガーディアンズのラミレス内野手(7位)、ヤンキースのコール投手(8位)、マーリンズのアルカンタラ投手(10位)が入っている。

これらトップランクの選手たちが今季もMVPを争うことになるだろう。やはり大谷を最有力とする米メディアが多く、ジャッジ、トラウト、ラミレス、ロドリゲスらがライバルと目される。

個人的にはメキシコ代表としてWBCで大活躍したレイズのランディ・アロザレーナ外野手(28)がMVP争いに加わることを期待したい。大会では6試合で20打数9安打の打率4割5分、1本塁打、9打点と打棒爆発。日本との準決勝で岡本和真内野手の本塁打性の打球をスーパーキャッチして阻止するなど、守備でも能力の高さを見せつけた。

キューバ生まれのアロザレーナは2016年に小さなボートでメキシコにたどり着き亡命した話が有名だが、そのためメキシコ愛が強く代表としてWBCに出るのが悲願だったという。そこでメキシコ大統領に懇願し市民権を得て夢を実現し、今大会の大活躍で一躍メキシコの英雄となった。エンゼルスのコーチでメキシコ代表の監督を務めたヒル氏によると「今やアロザレーナがメキシコで一番有名なアスリート」という。 MLBでは21年に新人王に輝いているが、今季の選手ランキングでは70~80位。しかしシーズン中にWBCのような活躍を続けて初の球宴選出やMVP争いに加わり、WBCで有名になったあの腕組みポーズをまた見せてほしい。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「水次祥子のMLBなう」)

世界一を決め、大谷(左)とハグする栗山監督(2023年3月21日撮影)
世界一を決め、大谷(左)とハグする栗山監督(2023年3月21日撮影)
WBC決勝・日本対米国 9回表米国2死、空振り三振に倒れるトラウト。投手大谷(2023年3月21日撮影)
WBC決勝・日本対米国 9回表米国2死、空振り三振に倒れるトラウト。投手大谷(2023年3月21日撮影)
日本対米国 試合前、トラウト(右)と記念写真に納まる大谷翔平(2023年3月21日撮影)
日本対米国 試合前、トラウト(右)と記念写真に納まる大谷翔平(2023年3月21日撮影)
日本対米国 9回、トラウト(手前)を三振に仕留め世界一を決めた大谷翔平(2023年3月21日撮影)
日本対米国 9回、トラウト(手前)を三振に仕留め世界一を決めた大谷翔平(2023年3月21日撮影)
日本対メキシコ 5回裏日本無死、岡本の打球を好捕し、ドヤ顔するアロザレーナ(2023年3月20日撮影)
日本対メキシコ 5回裏日本無死、岡本の打球を好捕し、ドヤ顔するアロザレーナ(2023年3月20日撮影)
WBC準決勝 日本対メキシコ 5回裏日本無死、岡本の本塁打性の左飛を好捕するアロザレーナ(2023年3月20日撮影)
WBC準決勝 日本対メキシコ 5回裏日本無死、岡本の本塁打性の左飛を好捕するアロザレーナ(2023年3月20日撮影)