シーズンは序盤の約2カ月が過ぎ、ペナント争いに向け徐々に大事な時期に入っていく。エンゼルスにとっては、今季終了後にフリーエージェントとなる大谷翔平投手(28)を引き留めるためにも、正念場となる。

エンゼルスの選手たちは「とにかく今日この試合を勝つ。それが最大のショウヘイへのアピール」という気持ちで日々、戦っているようだ。大谷とともにチームの顔であるマイク・トラウト外野手(31)は開幕当初から「ショウヘイを引き留めるには、何よりも今季勝つことが大事」と言い続けてきたが、最近は他のチームメートも次々と勝利に対する意識の高まりを口にしている。

抑え右腕カルロス・エステベス(30)は大谷についてUSAトゥデー電子版の取材に「ここで勝って、彼が残りたいと思ってくれることを願う。そうなれば素晴らしいことだ。僕らは勝つつもりでやっている。ポストシーズン進出を果たせれば、さらに先まで勝ち進むことを目指す」と話している。さらに「FAのことについて話したことはないけど、誰だって勝てるチームでプレーしたいと思う。なるようになるだけ。でも彼がチームに残って、来季も一緒にやれたら最高だ」と思いを明かした。

ハンター・レンフロー外野手(31)は5月半ばの頃に「僕らはまだ100%の力を出していない。これからまだレベルを上げる要素があるということだから、それは明るい材料だ。僕らはここ(クラブハウス)でいつもこう言い合っているんだ。おい、月に15勝目指そうぜ、そうすればプレーオフに進めるってね。それ以上勝てれば、可能性はさらに上がる」と話していた。今季3年契約でドジャースから移籍した先発左腕タイラー・アンダーソン(33)も「みんな必死にプレーしている。今はよく戦っていると思うけど、もっと強くなる可能性はあると思う」と手応えを得ているという。

エンゼルスは5月24日(日本時間25日)まで4連勝で直近7試合は6勝と好調。ポストシーズンに進出するには地区優勝するかワイルドカードの3位までに入らなければならず、現時点ではレンジャーズ、アストロズに次いで西地区3位、ワイルドカードでは4位(現地5月25日時点)につけており決してラクな状況ではないが、これから巻き返せるか。1勝ごとに選手たちの熱い思いがこもっているだけに、期待したい。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「水次祥子のMLBなう」)