<アストロズ4-2エンゼルス>◇2日(日本時間3日)◇ミニッツメイドパーク

「ハッハッハ!」。故障前は、クラブハウス内でも高らかに大笑いする大谷の姿が見受けられた。だが、肘の張りが判明した直後は、違った。

6月6日(日本時間7日)のロイヤルズ戦後、右肘の張りを訴えた。この日、クラブハウスへ現れた大谷は、トラウトから「ショーイ!」とあだ名で呼びかけられた。いつもは、チームメートの呼びかけに、日本語で「なにー?」などと、かわいらしく返答する大谷も、その時ばかりは「んー」と素っ気なく振り向いた。その翌日、検査で靱帯(じんたい)の損傷が判明した。トラウトやソーシア監督は、ケガが判明した直後の大谷は「落ち込んでいた」と振り返る。野球が出来ない現実がつらいのだろう。珍しく負の感情をにじませた顔が印象的だった。

打者復帰した7月3日(同4日)。試合後、報道陣にケガから学んだことは? と問われると「ケガをして思うのはやっぱり、すごく、無駄な時間」。たとえ無安打に終わっても、全て勉強と捉え、前向きに考える大谷にとっては極端にネガティブな発言だった。

そして迎えたこの日。試合後に、この時期の投手復帰を疑問視する声があるとの質問に「投げられるなら投げたいですし、そこはもうずっと変わらない」と即答した。やっぱり投手と野手を同時にプレーしてこそ、大谷翔平。あらためてそう感じる3カ月間だったし、この日の49球だった。本来のポジティブさが招く快投快打と、豪快な高笑いの復活を期待している。【MLB担当=斎藤庸裕】