エンゼルスの左腕アンドリュー・ヒーニー投手(28)が主催するドッグ・レース「PUP CUP」が27日(日本時間28日)、カリフォルニア州アナハイム近郊の公園で開催された。飼い犬とともに約1・6キロ、もしくは5キロの距離をランニングする同イベントには約200人が参加。今年で3回目となり、参加費などの収益は本拠地エンゼルスタジアムから近い小児病院へ寄付され、セラピー犬育成プログラムの費用に充てられるという。

主催者のヒーニーは大谷翔平投手(25)とアイスホッケーの試合を観戦したこともあり、仲良しのチームメートの1人。同イベントを開く理由について「エンゼルスに来てから小児病院によく訪れていてね。僕にとって犬はすごく大事な存在で、気持ちがなごむ。子供たちにも感じてもらいたいと思って」と話した。

同投手自身もラブラドル犬を飼っており、大学時代から夫人とともに連れ添っている。昨オフ前に新たな犬も家族の一員となり、現在は2匹の飼い主。「ポジティブな気持ちにさせてくれるし、愛情をくれるんだ」と、自宅に帰れば癒やされる存在だという。

自身のニックネームは「ヒーンドッグ(Heandog)」。由来については「覚えていないけど、大学の頃に誰かがつけてくれた」と苦笑いで振り返る。この日のイベントでも、ニックネームの入ったTシャツを着て、完走した参加者1人1人に記念のストラップをプレゼント。一般人の参加者に加え、エ軍のチームスタッフ、親友で7月1日に急逝したスカッグス投手の母デビーさんも愛犬を連れて参加した。大谷の通訳を務める水原一平氏もイベントの見学に訪れていた。

ヒーニーは現在、左肩の炎症で戦列を離れている。チームはプレーオフに進出できるワイルドカード圏内を視界に捉えており、1日でも早い復帰が望まれる。好位置にいながら、試合に登板できないもどかしさもあるだろう。そんなときでも、愛犬が癒やしになってくれる。そして、1人でも多くの人の助けになって欲しい-。ヒーニーの心の温かさを感じた。【MLB担当=斎藤庸裕】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)