やはり、寝る子は育つ、のだろうか。レッズで今季から本格的にリリーフと外野手の二刀流で起用されているマイケル・ロレンゼン投手(27)が、うれしそうに携帯画面を見せてくれた。

スマートフォンのアプリに表示された前日の睡眠時間は9時間50分。毎日どれだけ寝ているのかと聞くと、「9時間から11時間くらい寝るよ。それが回復には一番いいんだ。体もそうだし、精神的にもね。リセットされるから」とさわやかな笑顔で明かした。

そういえば、同じ二刀流のエンゼルス大谷翔平投手(25)も、よく寝ていたような…。今年2、3月のアリゾナ州でのキャンプは、右肘のリハビリで練習内容も制限され、早い時間にチーム施設を離れるなど1日の空き時間も多かった。何をしていたかといえば、「けっこうお昼とか寝ているので、寝ている時間は長い」と話した。「(宿舎に)帰ってすぐ寝て18時くらいまで寝てる時もあります。(夕方と夜に)2回寝てますね」と2度寝することもあったという。

10連戦、15連戦がざらにあるメジャーの過密日程では、試合を消化するにつれ疲労も蓄積される。移動距離も長く、デーゲームやナイターと時間もまばらで規則正しい生活は難しい。そんな中、ロレンゼンの言うように睡眠時間の確保は回復には最も効果的なのだろう。また、同投手は睡眠に加えて「水をたくさん飲むこと」も心がける。毎日、約5500~6000ミリリットル(500ミリリットルのペットボトル11本から12本分)摂取するという。想像しただけでも、おなかが膨れてしまいそうだが…。

二刀流選手なだけに、1日のエネルギー消費が激しいのだろう。本拠地開催の試合前練習では打撃→ランニングと投球練習→守備と順々にスイッチする。試合では右翼後方のブルペンで出番を待ちながら、代打を告げられる場面となれば走って一塁側ベンチへと急ぎ、打席に向かうという。

今季はここまで投手では0勝3敗、防御率3・49、打者では打率2割7分3厘0本塁打2打点と、二刀流としてはまだまだ成長過程だ。たっぷり睡眠でシーズンを乗り越え、今後のさらなる活躍に期待したい。【MLB担当=斎藤庸裕】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)