日本では平成の時代が終わり、令和の新時代がスタートしました。国中が改元ムードに包まれているようですが、正直なところ、米国でほとんど報じられないこともあり、在米の日本人にすれば、いまひとつピンとこないのが、実情のようです。元号を使うことがある日本企業ならともかく、世界各国から選手が集まるメジャー球界で生活している日本人選手の場合、新時代の話題になると、一様にキョトンとした表情になりました。

ヤンキース田中将大投手は、「平成が終わって年号が変わったんだというツイートやネットニュースで見て、それで感じてますけど。日本がどんな感じか分かんないので、ちょっと温度差はあると思います」と、率直な気持ちを明かしました。

マリナーズ菊池雄星投手は「みなさん(報道陣)が好きそうな質問ですけど」と笑わせた上で、メジャー1年目らしく新しい環境に適応することに集中しているようです。「すっかり忘れていましたね。こっちにいるとそういうことも忘れていましたけど、毎日勉強ばかりで、また楽しくこっちに来てから毎日吸収しながら野球をやれていますし、未来もいいものにしたいなと思います」。

1日のヤンキース戦で「令和初ホールド」を記録したダイヤモンドバックス平野佳寿投手は、ベテランらしい、淡々とした反応でした。「まあ実感あるとか、ないとか分からないですけど、まあ、しっかりその時代にアジャストしていけたらいいかなと思います」。

カブスのダルビッシュ有投手にいたっては、「僕はアメリカ人なんで…。2年帰ってないし、日本のことがよく分からないですから」と、ジョーク交じりに話すしかなかったようです。

1964年(昭39)にマッシー村上が、メジャーデビュー。その後、平成に入ると、1995年の野茂英雄から今年の菊池雄星まで計57人の日本人メジャーリーガーが誕生しました。

そもそも、メジャーの野球を日本の元号で区切ること自体が微妙なことですが、時代とともに環境、システム、考え方などは変化していくものです。「二刀流」で米国球界の認識を変えたエンゼルス大谷翔平の登場などは、その最たる例と言っていいでしょう。

令和の新時代には、どんな日本人選手がメジャーで活躍するのでしょうか。または、今季からインストラクターに就任したイチロー氏や、巡回コーチの松井秀喜氏を含め、将来的には日本人メジャー監督が誕生する時代が来るのかもしれません。

【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)