コロナ禍の影響で、依然として先行きが不透明な中、メジャーの春季キャンプが17日(日本時間18日)からフロリダ、アリゾナの両州でスタートします。まずは投手と捕手のバッテリー組から始まりますが、今季は早い時期から日本人投手が開幕投手候補として注目されています。

米メディアの予想などによると、現時点でパドレスのダルビッシュ有投手(34)と、ツインズの前田健太投手(32)が、最有力候補に挙げられています。2人とも昨季はチームトップの成績を挙げ、両リーグのサイ・ヤング賞争いで次点に食い込む活躍を見せただけに、大きな故障がない限り、ほぼ当確と見ていいでしょう。

過去、日本人では田中将大(現楽天、2015~17、19年)の4回をはじめ、野茂英雄(00、03、04年)の3回、松坂大輔(現西武、08年)、黒田博樹(09年)、ダルビッシュ(17年)が各1回と、5人が開幕投手を務めてきました。

17年には、田中(当時ヤンキース)とダルビッシュ(当時レンジャーズ)が2人そろって大役を務めましたが、開幕日は別でした。結果は、4月2日に登板した田中が敗戦投手、翌3日に登板したダルビッシュは勝敗なし、と白星には手が届きませんでした。

5人の通算成績は、延べ10試合で4勝4敗。開幕戦は、まだ肌寒さの残る春先の初先発でもあり、球数やイニング数がシーズン中盤より少なめに限定されることもあり、いかに効率良くアウトを重ねるかが、白星をつかむキーポイントになってきます。

今季の場合、全30球団が4月1日(日本時間2日)に一斉開幕します。

もし、2回目となるダルビッシュと初の前田が先発すれば、史上初となる同日の「開幕ダブル白星」を飾る可能性もあります。

ちなみに、前田が所属するツインズは、敵地ミルウォーキーで米東部時間午後2時10分(同午前3時)、ダルビッシュのパドレスは地元サンディエゴで同4時10分(同午前5時10分)にプレーボールが予定されています。

日本と同じように、メジャーでも開幕投手は「先発1番手=エース」として、同僚やファンから認められる栄誉です。昨季の活躍で、あらためて日本人投手の質の高さを証明した2人が、快投を演じて大役を果たす姿が、今から楽しみになってきました。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)