今年のメジャーのオールスターの出場選手が発表され、日本人ではエンゼルス大谷翔平投手が選出されたのをはじめ、パドレスのダルビッシュ有投手、マリナーズ菊池雄星投手の3人が選出されました。大谷がDHと投手の「二刀流」で選出されたことが史上初として話題を集めていますが、花巻東高出身の菊池と大谷の2人が、日本の同じ出身校の選手として同時に出場するのも史上初めてのことです。

そんな偉業に、地元岩手が盛り上がるのも当然でしょう。出身校の花巻東高校は5日に公式フェイスブックを更新し、OB2人の快挙に喜びのコメントを投稿しています。

「大谷翔平選手のオールスター史上初の二刀流出場! 菊池雄星投手の初出場! 花巻東高校の共演が、メジャーリーグのオールスターで実現することがあるんですか! 夢のような話です!」。

1995年に野茂英雄が日本人として初出場して以来、今年まで計14人がオールスターに出場していますが、複数の同窓生を輩出したのは、東北高(佐々木主浩、斎藤隆、ダルビッシュ有)だけです。ただ、それぞれプレーした年代や出場年が異なるため、同時出場は実現していません。

そもそも、同じ出身校の選手がメジャーリーガーになることすら難しいわけですから、同時にオールスターに出場する確率となると、おそらく天文学的な数字ではないでしょうか。

ちなみに、メジャーリーガーの出身校ランキングの上位を挙げてみます。

(1)PL学園 4人(桑田真澄、松井稼頭央、福留孝介、前田健太)

(2)横浜 3人(松坂大輔、高橋建、筒香嘉智)

(2)東北 3人(佐々木主浩、斎藤隆、ダルビッシュ有)

(4)上宮 2人(黒田博樹、藪田安彦)

(4)東海大仰星 2人(上原浩治、建山義紀)

(4)花巻東 2人(菊池雄星、大谷翔平)

たとえ出身校が同じでも、複数の選手が同時期に活躍しない限り、ダブル出場は難しいわけですが、菊池と大谷の場合、来年以降も実現する可能性は十分にあります。

米国内では、今季、同じハーバード・ウエストレーク高(カリフォルニア州)出身のマックス・フリード(27=ブレーブス)、ルーカス・ジオリト(26=ホワイトソックス)、ジャック・フラーティ(25=カージナルス)の3人が、そろって開幕投手を務め、話題を集めました。コロナ禍の影響で中止になりましたが、もし昨季の球宴が実施されていれば、3人とも選出された可能性は非常に高かったはずですが、今年は実現しませんでした。それほど、同時出場は難しいことだと思われます。

今回の大谷の場合、DHだけでなく、投手として登板する見込みでもあり、菊池との「花巻東リレー」が本当に実現するかもしれません。

【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)