今季161試合目が行われた9月30日(日本時間10月1日)、ポストシーズン(PS)へ出場する全12チームが確定しました。試合後は、各地でシャンパンファイトが行われましたが、米アリゾナ州フェニックスのチェースフィールドでは、「インターリーグ(交流戦)」だったこともあり、めったにお目にかからない、珍しい光景が見られました。

「ダイヤモンドバックス-アストロズ」の一戦は、アストロズが1-0で勝利を収め、7年連続でア・リーグのPS進出を決めました。その一方で、ナ・リーグでPSを争っていたレッズが先に敗戦。ダイヤモンドバックスも、17年以来6年ぶりのPS進出が確定しました。ということで、試合後は両チームとも同じ球場内で同時に「パーティー」となりました。

大はしゃぎだったのは、試合に敗れたダイヤモンドバックスでした。元ヤクルトのロブロ監督が、ゴーグル姿で「今日は君たちの監督じゃない」と乾杯の音頭を執り、文字通り「無礼講」のシャンパンファイトがスタート。その後も、クラブハウス内だけでは収まらず、本拠地右中間スタンドにある名物のプールにも場所を移して大騒ぎ。選手だけでなく、監督らも次々とプールにダイビングするほど、大いに盛り上がっていました。

ダイヤモンドバックスとは反対側にある一塁側クラブハウスの昨季世界一アストロズは、対照的でした。PS進出が決まったとはいえ、2日の今季最終戦の結果次第では地区優勝の可能性が残っていたこともあり、実に静かなお祝いでした。リーダー格のマルドナルド捕手がシャンパングラスを掲げ、「今日は大きな試合だった。ここにいる全員がすばらしい仕事をした。とても誇らしく思う」とあいさつ。シャンパンやビールの泡が飛び交うこともなく、各自がグラスで乾杯して静かに終了しました。

その結果、1日の最終戦でアストロズは快勝。同地区のレンジャーズが敗れたため、162試合目で劇的な逆転優勝を決めました。過去6年間でワールドシリーズに4回出場し、世界一2回のアストロズにとって、PS進出はあくまでも最初のステップに過ぎなかったということでしょう。地区3連覇を遂げた強豪は、今ポストシーズンでも本命に挙げられそうです。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)

PS進出が確定し喜ぶダイヤモンドバックスの選手(ロイター=USA TODAY Sports)
PS進出が確定し喜ぶダイヤモンドバックスの選手(ロイター=USA TODAY Sports)