MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーが現地21日、アリゾナ州フェニックスで記者会見を行った。数多くのトピックについて見解が述べられたが、アメリカのメディアにとって最も大きかったのは、報じられていたルール変更の提案について選手会が合意しなかったことのようだ。

 同日付のニューヨーク・タイムズ電子版は「MLBコミッショナー、ロブ・マンフレッドが変更に対する組合の抵抗を批判」という記事を掲載している。「聞く耳を持たず自分たちのゲームが変わり、そして変わり続けていることを無視することは間違いだと思う」と語り、選手会のトニー・クラーク専務が日曜に大きな変更を行うよりもベースボールのニュアンスでファンを教育したほうが良いと発言したことを非難したということだ。

 さらに「我々の熱心なファンとカジュアルなファンの両方がゲームで起こっている変化を管理し、対応することを望んでいると確信している」とルール変更への意欲を示している。

 先に報じられていたようにMLB側はストライクゾーンを膝頭の下部から上部に引き上げたり、マウンドにコーチが行く回数を制限するルール変更を導入することでより打撃が活発になったり、試合時間が短縮される改革を提案していた。しかしこれらは今回選手会側がこれを拒絶したことになる。

 その一方でスポーツ専門局ESPNの電子版は、敬遠の意図を示せばボールを投げることなく打者を一塁に送ることができるルール変更に関しては選手会が合意したと伝えた。ただこの件に関しては敬遠は2・6ゲームに1回しかなく、試合時間の短縮には十分ではないという意見も多い。

 今回の会見について日本的に大きなトピックだったのが、一部にWBCがビジネス的に難しいため今年で最後になるのでは、という一部報道についてだった。これについてコミッショナーは「極めて重要な大会。自分の任期中は続けたい」と存続の意向を示したということである。

 またこれまでスポーツへのギャンブルが可能なため、メジャー・プロリーグが避けてきたものの成長が続いているため近年注目されているラスベガスについて「ラスベガスは我々にとって成長市場になり得る」と発言し、問題視していないことを明らかにした。

 全体的にMLBのさらなる成長に向けた姿勢を前面に出した会見だったといえるだろう。