また新たな事故が起こった。現地21日、サンディエゴのペトコ・パークで行われたダイヤモンドバックス対パドレス戦の7回表に無人機ドローンがスタジアム上空に現れたかと思うとスタンド上段のファンをかすめながら飛行し、そのまま座席に衝突、大破してしまったのである。

 幸い怪我人はなかった。これに対し、MLBのスポークスパーソンは翌日「我々の警備部門は昨日の事故に気づき、地元自治体と連絡をとった。状況を注視している。ドローンは全てのボールパークで禁止されたアイテムだ」との声明を出している。

 さらにパドレスのエリック・グループナーCOOも「ペトコ・パークのゲストの安全はパドレスの最優先事項だ。日曜のドローン事故は我々のゲストの安全を確保するためすぐパドレスの警備とサンディエゴ警察に伝えられた。この事故はペトコ・パークのような巨大な公共施設での無許可のドローン使用がもたらす危険性を浮かび上がらせている。パドレスは声を大にしてサンディエゴ警察が大きな公共施設付近でのドローン使用についてのアメリカ連邦航空局(FAA)による規制をサンディエゴ警察に可能にするサンディゴ市が最近制定した条例を支持する。我々はこの条例が完全に施行されることを確実にするため自治体と共に働き続けることを楽しみにしている」という声明を出した。

 パドレスの声明にあるように実はサンディエゴ市はFAAによるスタジアムや公園などの近くでドローンを飛ばすことを禁じる条例を4月に可決したばかりだったのである。その矢先に事故が起こってしまったのだ。ただこの新しい条例の施行は6月からで今回の事故では適用されないということである。

 では実際、ドローンに何が起こったのだろうか。地元テレビ局FOX5によれば、サンディエゴ警察の警官がドローンがスタジアム内に入るのを見た後、スタジアムの駐車場でドローンの操縦者を発見したのだとか。20歳代の男性とだけ発表されているこの操縦者に警官はドローンをスタジアム外に出すよう指示したところ、コントロールを失っており、操縦できないと答えたという。そしてその数秒後ドローンの衝突となった。

 その時に操縦者について警官は「彼は恐怖を感じていた。誰も傷つける意図はなかった」と話している。

 FAAは事故を調査しており、操縦者に1437ドルの罰金を科す可能性があるということだ。

 日本でも度々話題となってきたドローンの事故。今回は規制直前、注目度の高いMLBの場ということもあって今後への良い警句になればいいのだが。