2月になっても進展を見せないMLBのFA市場。投手、捕手のバッテリー組によるスプリングトレーニングの招集日が間近に迫るなか、選手周辺の苛立ちが露わになっている。

 現地3日、大手代理人企業、CAAスポーツの野球部門共同代表、ブロディ・バンワゲネン氏はツイッターに「選手たちを巻き込んだ過激な変化の流れが起こっている」とし、「選手たちは取り乱している。いやそれ以上に憤慨している。まだ契約が決まっていない選手だけでなく、長期契約中の選手さえもフラストレーションを抱えている。彼らの声は徐々に大きくなり、1994年以来なかったまとまりを見せ始めている」、「戦いが醸成されつつある」とスプリングトレーニングのボイコットを訴えたのだ。

 これに対し、MLB選手会は翌4日、「最近の報道、選手会がスプリングトレーニングの”ボイコット”することを強いているという報道は誤解です。 これらの報道は誤っています。 そのような脅威は生じておらず、組合はそのような行動措置を勧告していません」との否定する声明を出した。

 が、選手会自体もFA市場の状況に対し、チーム側への不満は頂点に達しているようで、6日、トニー・クラーク専務理事名で「投手と捕手はフロリダとアリゾナのキャンプに1週間以内に参加することになる。 収益とフランチャイズの価値が過去最高となっている産業で、才能のあるフリーエージェントが記録的な数でまだ契約していない。スプリングトレーニングは、常に新シーズンへの希望と結びついています。 今年はかなりの数のチームが最下位争いに参加している。 この行動は、チームとそのファンの間の信頼への根本的な裏切りであり、我々のゲームの誠実さを脅かしている」という声明を出したのだ。まさに怒り心頭に発す、といった感じである。

 これに対し、MLBは7日、「我々のクラブはファンに勝利をもたらすことを約束している。オーナーたちは勝利したい、というただ一つの理由でチームを所有している。ベースボールにおいては、常にクラブは複数年で勝つための戦略を練っている」と、現在の停滞は次のオフの状況を見極め、とられている各チームの戦略の結果だと、反論する声明を出した。

 ダルビッシュ有投手やイチロー外野手など日本人選手も巻き込まれている今回のこの停滞が果たしてどうなるのか。残された日は少ないだけにより緊張が高まりそうだ。