イチロー外野手など日本人選手が長く在籍し、日本のファンからも親しまれてきたマリナーズの本拠地の名称が変わることが正式発表された。スタジアムの命名権、ネーミングライツを携帯電話大手のTモバイルが取得したためだ。

シアトルの中心地に建つスタジアムは地元ワシントン州自治体の公共団体、ワシントン州ベースボール・スタジアム公共施設地区(PDF)が所有し、チームにリースする形が取られている。1999年の完成以来PDFの承認の元、スタジアムのネーミングライツはシアトルに拠点を置く保険会社、セーフコ・インシュランスが取得し、セーフコ・フィールドと呼ばれてきた。同社は権利料として4000万ドルを支払ったと見られている。しかし2018年の契約満期を前に、2017年6月同社は契約を更新しないことを発表、その行方に関心が集まっていた。

Tモバイルは2013年からMLBの公式パートナーとなっており、2016年にはオールスターゲーム・ウイークに行われるホームランダービーの冠スポンサーにもなっている。アメリカ本社はシアトル近郊のワシントン州ベルビューにある。さらに現在ソフトバンクグループ傘下の同業スプリントの買収に動いており、18日に対米外国投資委員会が両社の合併を承認したばかりだ。

気になる新スタジアム名はTモバイル・パークで、来年日本でのマリナーズとアスレチックスの開幕2連戦の後、3月28日のホーム開幕戦でお披露目となるということである。

Tモバイルのジョン・レジェールCEOは声明で「Tモバイル・パークは企業ブランドのスポンサーシップだけではありません...これはコミュニティと私たちの故郷、マリナーズがワールドシリーズに進出するチームとなることを支援することなのです!」と宣言している。

Tモバイルのユーザーには今後、優先入場や割引チケット、限定グッズのオファーといった優遇措置が行われる見込みだ。

権利料だが、公表されていないものの年3、400万ドルに上るだろうと見られている。マリナーズはPDFとの間で、スタジアムのメンテナンスや運営、資本増強、サービス向上に最低6億ドルを投入することを条件に25年間のスタジアムのリース延長で合意したばかりでもあった。

マリナーズのケビン・メイザー社長兼CEOは「ファンはこの球場で素晴らしい経験を期待しており、今後25年にわたり確実なクラブ収入を継続して投資することを確約します」としている。

今回の契約でマリナーズが飛躍することができるか注目したい。