近年MLBでもSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが盛んになってきている。2019年シーズンの開幕を前に、新たな動きを東西の名門チームが見せた。

ヤンキースが発表したのは、環境科学アドバイザーという役職の創設とその職へのアレン・ハーシュコビッツ博士の任命だ。チームの発表によればプロスポーツでこうした役職が作られるのは初めてのことだという。

ハーシュコビッツ博士にはエネルギー使用、廃棄物管理、節水、そしてフードサービスなどの分野に焦点を当て、ヤンキースとヤンキースタジアムの環境面へのイニシアチブをとることが期待されている。

博士はこれまで26年間天然資源防衛協議会で上級科学者を務めていた。さらに環境持続性の革新を目標に数百のチームやリーグ、施設が参加する国際スポーツ持続性委員会の創設理事兼会長でもあり、2015年にはスポーツビジネスジャーナルの「スポーツビジネスで最も影響力のある50人」の1人に選ばれた実績がある。

ヤンキースのハル・スタインブレナー・オーナーは声明で「ヤンキースタジアムは無駄のない経済を推進し、成功しています。現在、私たちの廃棄物の約85%は、堆肥化とリサイクルへの積極的な取り組みによって埋め立てに使われていません。アレンの指導によって、さらに改善が進むことを楽しみにしています」とした。

2016年には高効率なLED照明が導入され、以前よりも40%効率がよく、50%明るくなった実績もあるということだ。

一方、ドジャースは18日、ドイツに拠点を置く太陽電池メーカー、ハンファQセルズと複数年にわたるスポンサー契約を結んだと発表した。

発表によればホームゲームでは同社のロゴがフィールドレベルで掲示され、ドジャースが行うマーケティングキャンペーンでのプロモーションパートナーも務めるということだ。同社はこれまでにもドイツのサッカークラブ、RBライプチヒや女子ゴルフチームのスポンサーにもなっており、さらにドジャースのスポンサーになることでスポーツをサポートする企業というイメージを強くするほか、アメリカ市場でのブランド確立を狙っているようである。

その一方で、現在ドジャースタジアムがリノベーションの最中であるためか、具体的に太陽光パネルが設置されるといった計画は今回の発表では行われなかった。

太陽光パネルをスタジアムやアリーナに設置し、使用電力の一部をまかなう動きは広まっている。MLBでは昨年パドレスが本拠地ペトコパークのスタンドの屋根に大規模な太陽光発電設備を設置したことで話題となった。

こうした動きは今後さらに活発になっていくことだろう。