現地15日、ナショナルズがナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦でカージナルスを7-4で破り4連勝とし、前身のモントリオール・エクスポズ時代を含めて初のワールドシリーズ進出を決めた。エクスポズの1969年設立からは50年目、2005年にワシントンに移転しナショナルズとなって14年目の快挙だ。

今シーズンは序盤もたついたものの、その後巻き返し、93勝69敗でナ・リーグ東地区2位、ワイルドカードレースではトップで2年ぶりにプレーオフに進出した。ブルワーズとのワイルドカードゲームは4-3で辛勝。地区シリーズもリーグ最高勝率のドジャースと最終第5戦が延長に突入する激戦となったが、10回に一挙4点を奪う猛攻で7-3で勝利し、優勝決定シリーズに進出、勢いを増した。そして中地区首位のカージナルスを相手に無敗の4連勝、スイープを達成したのである。

快進撃の要因だが、まず挙げられるのはここぞという時の打線の強さだ。ハウィー・ケンドリック二塁手は地区シリーズ第5戦でドジャースを敗退させる満塁本塁打を10回に放っただけでなく、優勝決定シリーズでも4試合で15打数5安打4打点とチームを引っ張り、シリーズのMVPに選出されている。また3番打者のアンソニー・レンドン三塁手はポストシーズンの成績が32打数12安打8打点、打率3割7分5厘と絶好調だ。6番を打つライアン・ジマーマン一塁手も31打数9安打3打点、打率2割9分といった具合である。4番のフアン・ソト外野手が打率2割3分7厘と少し調子を落としているが、それでも2本塁打と役割を果たしている。

一方、投手陣で抜群の安定感を見せているのがスティーブン・ストラスバーグとマックス・シャーザーの先発投手2人とクローザーのダニエル・ハドソンである。ストラスバーグとシャーザーは共に3試合に先発して、ストラスバーグが3勝、シャーザーが2勝で負けなし。防御率1・64と1・80。三振が33と27と飛び抜けている。さらにハドソンは6試合で登板して4セーブ、無失点である。この3人が登板すれば、勝ちが見える状態だ。

ワールドシリーズは22日からア・リーグ勝者のホームで開始される。ア・リーグ優勝決定シリーズは15日終了時点で、アストロズ2勝ヤンキース1勝となっているが、どちらが進出してきても手を焼きそうである。果たしてナショナルズは勢いを維持して世界一の栄光をつかみ取ることができるだろうか。